【2026年4月】 企業が取り組むべき、女性の健康課題ーー健康診断・えるぼしプラス
2026年1月、厚生労働省は「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」を公開しました。定期健康診断の問診票に女性の健康に関する質問を追加し、月経困難症・PMS・更年期障害などで困っている女性労働者に専門医の早期受診を勧奨する ― その具体的な進め方を示したガイドラインです。
そして2026年4月、改正女性活躍推進法に基づく「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」認定制度が創設されました。女性の健康支援に取り組む企業を、公的に認定する制度を増強する形です。
この2つは無関係ではありません。マニュアルが「何をすべきか」を示し、えるぼしプラスが「取り組んだ企業を評価する」仕組みです。つまり今、女性の健康支援は「やった方がいい」から「やらなければ選ばれない」フェーズに入ったといえます。
「えるぼしプラス」とは何か
従来の「えるぼし認定」は、女性の採用・継続就業・管理職比率・労働時間・多様なキャリアコースの5つの基準で女性活躍推進を評価する制度でした。今回新設された「えるぼしプラス」は、これに加えて女性の健康支援に関する取り組みを評価する上乗せ認定です。すでにえるぼし認定を受けている企業が、以下の4つの基準すべてを満たすことで取得できます。
基準1:休暇・勤務制度の整備 ― 女性の健康特性に配慮した休暇制度(生理休暇の実質的運用、ウェルネス休暇等)や柔軟な勤務制度(時差出勤、テレワーク、フレックス等)を設けていること。
基準2:方針の周知 ― 女性の健康特性への配慮に関する方針を全従業員に周知していること。
基準3:研修・啓発の実施 ― 女性特有の健康課題についての理解促進のための研修や取り組みを実施していること。
基準4:担当者の配置と相談対応 ― 女性の健康支援に関する担当者を配置し、従業員からの相談に対応できる体制を整えていること。
認定を受けた企業は認定マークを求人広告やウェブサイトに掲載でき、「女性の健康支援に優れた企業」として対外的にアピールできます。人材確保が厳しさを増す中、特に女性比率の高い業界ではこの認定の価値は大きいでしょう。
厚労省マニュアルが示す「やるべきこと」のポイント
マニュアルのポイントをまとめます。
対象となる健康課題は4つ: 月経困難症、過多月経、月経前症候群(PMS/PMDD)、更年期障害。いずれも女性ホルモンの生体的な作用に起因するもので、個人の資質や管理不足によるものではありません。セルフケアだけでは改善しないケースも多く、専門医による治療が大切です。
問診は「任意」であり法的義務ではない: 健康経営やえるぼしプラス認定を目指す企業にとっては事実上の標準になっていく流れではあります。
問診結果は事業者に直接提供されない: 個人情報保護の観点から、健診機関から事業者への回答の提供は行われません。本人の気づきと受診行動を促すことが目的です。
事業者に求められるのは「環境整備」: 経営トップの方針表明、衛生委員会での労使の話し合い、管理職研修、相談窓口の設置、休暇・勤務制度の整備、職場環境の改善 ― これらを段階的に進めることがマニュアルの骨子です。
管理職研修が特に重要: マニュアルでは、管理職が適切な知識とスキルを持つかどうかが支援の成否を大きく左右するとして、研修を最重要課題に位置づけています。
出典:厚生労働省「女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」(2026年1月)
「うちの会社には関係ない」は危険信号
「女性社員が少ないからまだ先でいい」「うちは中小企業だから」 ― そう思われるかもしれません。しかし、改正女性活躍推進法では常時雇用101人以上の企業に対する情報公表義務も拡充されており、女性の健康支援は企業規模を問わず求められる方向に進んでいます。
また、えるぼしプラスの認定基準が示す「休暇・勤務制度の整備」「研修の実施」「相談窓口の設置」は、そのまま健康経営優良法人の認定項目とも重なります。女性の健康支援への取り組みは、採用力の強化、離職率の低下、プレゼンティーズムの改善といった経営上のリターンに直結するテーマです。
問題は、「やるべきことは分かったが、自社の実情に合わせてどう落とし込むか」という実行フェーズにあります。

弊社は産業保健の専門機関として、業種・規模を問わず企業様の女性の健康課題を支援してまいりました。
女性の健康問診の導入設計、管理職研修の企画・実施、相談体制の構築、えるぼしプラス認定に向けた制度整備まで、女性産業医をはじめ産業保健の専門スタッフがワンストップでサポートいたします。
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出典・参考資料
・厚生労働省「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~」(2026年1月)
・えるぼしプラスデザイン決定(厚生労働省)
・女性活躍推進法特集ページ(厚生労働省
※画像はAIで作成しています

