【2026年4月施行】経営者がいますぐ確認すべき 法改正5つのポイント

明日新年度です。段階的に施行されている労働安全衛生法・作業環境測定法の改正、改正労働施策総合推進法のうち、2026年4月1日から施行されるポイントをまとめました。
1. フリーランス・一人親方への安全衛生対策の段階的な拡大
これまでは自社の社員の安全配慮が法的義務でしたが、同じ作業場所で働く個人事業者(フリーランス、一人親方)に対しても、元方事業者が安全衛生上の措置を講じる義務が段階的に拡大されています。2026年4月1日からは、労働形態が混在した作業場所で、①労働災害防止のために講ずるべき必要や教育・指導・連絡調整等の対応は、直接雇用している労働者だけでなく個人事業者を含む作業従事者にまで拡大、②フォークリフトなど政令で定められた機械等、建築物を他の 事業者に貸与する者が災害防止のために講ずべき措置については、個人事業者等に貸し出す場合にも同じ措置をとる、ことになります。
2. 高齢労働者の労災防止
働く高齢者が増える中、高年齢者の特性(身体機能の変化など)に配慮した作業環境の改善、作業管理などの必要な措置をとることが努力義務となります。
参考:厚生労働省「高年齢者の労働災害防止のための指針(高年齢者の労働災害防止のための指針公示第1号)」
3. 営業秘密である成分に係る代替化学品名等の通知(化学物質による健康障害防止対策)
化学物質による健康障害を防止するため、事業者が自らリスクを判断して対策を講じる「自律的管理」への移行がさらに進みます。
①これまでは有害な化学物質が含まれる場合、SDS(安全データシート)に原則として正確な成分名を書かなければなりませんでしたが、今回の改正で「この成分名は当社のノウハウだから知られたくない!」という場合、有害性が比較的低いものに限り、「ぼかした名前(代替化学名)」で記載することが認められます。
②もちろん名前を伏せて「ぼかした名前」で通知した会社は、「具体的な成分は何だったか」という記録を自社でしっかり記録・保存しましょう。
③もし現場で事故や体調不良が起き、医師が「診断や治療のために本当の成分名を知りたい」と情報を求めた場合、企業はただちに開示しなければなりません。
4. 治療と仕事の両立支援の推進
職場における治療と仕事の両立を促進するために必要な措置を講じることが事業者の努力義務となりました。事業者は指針に基づいた取り組みを行っていただく必要があります。
参考:厚生労働省「治療と就業の両立支援指針」、「治療と仕事の両立支援カード編」、「企業・医療機関連携マニュアル(事例編:がん)両立支援カード版」
5. 特定機械等の製造許可及び製造時等検査制度の見直し
危険な作業を必要とする特定機械等(ボイラー、クレーンなど)に対して義務付けられている製造許可や製造時等検査などの制度の見直しがなされ、下記の審査・検査を登録を受けた民間機関が実施可能になりました。
① 製造許可申請の審査のうち、特定機械等の設計が構造規格に適合しているかの審査
② 製造時等検査の対象となる機械のうち、移動式クレーン及びゴンドラの検査
あわせて、特定機械等の製造時等検査・性能検査、個別検定・型式検定について基準を定め、登録機関がこの基準に従って検査・検定を行わなければならないことになりました。
2026年 安全管理は現場の実情で行う時代
今回の改正のポイントは、誰がその場にいるかで安全を定義し直すことにあります。一人親方やフリーランスといった多様な働き手が混在する現代の現場において、元請け企業には現場の管理者としての更なるマネジメントが求められます。また、化学物質の成分秘匿が認められる一方で、医師への即時開示が義務付けられたことは、企業の知的財産よりも働く人の健康や安全を最優先するという国の姿勢の表れです。
- 個人事業者をチームの一員として安全管理に巻き込む
- 高齢労働者が能力を発揮し続けられる環境づくり
- 化学物質のリスク管理
- 治療と仕事の両立ができる環境づくり

時代に即したコンプライアンス企業こそが、これからの労働力不足の時代に「選ばれる企業」となります。
法改正をきっかけに自社の安全をアップデートしていきましょう。
参考文献
・厚生労働省 「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)の概要」、「労働安全衛生法 令和7年改正(令和8年4月施行予定)について」「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」、「労働安全衛生法及び作業環境測定法改正の主なポイントについて」
※本記事の画像はAIで作成しています

