世界12億人が精神疾患を抱える時代に。精神科産業医が職場に必要な理由
2023年、世界で精神疾患を抱える人は約12億人に達し、1990年比で95.5%増という報告があります(Lancet、2026年)。うつ病・不安障害の急増に加え、発症年齢のピークはいまや15〜19歳。新入社員がすでにメンタル不調のリスクを抱えている可能性がある時代です。
メンタル不調は誰にでも起こりうるものです。不調の要因は複合的なことがあり、明らかな原因があれば別ですが一元的には説明しづらいです。職場の対応で全て解決するとはいえませんが、安全配慮義務を履行するうえで職場として対応策の検討は必須です。
「産業医がいる」だけでは足りない
産業医は、会社と働く人の中立的な立場であり、働ける健康状態かどうかを職場に提言する役割があります。
多くの職場にはすでに産業医がいます。しかし「受診を勧めるだけで、その後の対応がわからない」「復職のタイミングが判断できない」という声もきかれます。精神科産業医は、病状や治療の専門的な理解、職場復帰プランの設計、管理職へのアドバイス、組織的なリスクの早期発見まで、メンタルヘルス問題を一貫して扱える専門家です。グレーゾーンの判断や再発防止策など、他の専門科の産業医では難しい場面でこそ力を発揮します。
対応が遅れるとリスクが増大する可能性がある
メンタル不調による休職・離職の損失は、経済的間接コストを含めると一人あたり数百万円規模とも言われます。休業者の業務を補填するために、他のスタッフが連鎖的に不調をきたすリスクも考えられます。原因にもよりますが、不調者が職場に過剰な配慮を求めた結果、対応者が不調をきたす事例もみられます。精神科産業医との相談体制は、問題の重篤化・長期化を防ぐ経営上の投資です。
不調をきたしたご本人のおつらさはもちろんです。加えて、職場が負う負担も少なくないのが現状です。長期的には、不調者も職場の支援者にも双方に望ましい産業保健体制を構築したいものです。

銀座東産業保健事務所では、精神科産業医を中心とした産業保健サービスを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
出典・参考資料
・CNN Japan「世界の精神疾患患者、2023年に12億人 1990年比で95.5%増」2026.05.22
・GBD 2023 Mental Disorder Collaborators, Updated trends in the global prevalence and burden of mental disorders, 1990-2023: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2023, Lancet
