【世界で渦巻くSNS責任論】10代のメンタルを守るSNS制限 企業に求められるヘルスリテラシー

2026年3月26日フィナンシャルタイムスによると、米国ロサンゼルス州裁判所の陪審員らは、MetaのInstagramやGoogleのYouTube といったソーシャルメディアプラットフォームが子どもやティーンエイジャーに有害であり、同社がユーザーに危険性を警告しなかったとして、ソーシャルメディア依存によって不安症、うつ、醜形恐怖症、希死念慮(自殺願望)など精神的な健康を害したと主張した20歳の原告に対し、プラットフォーム側から損害賠償金300万ドルを支払われるという評決を下しました。米国内では数千件の同様の訴訟がおこっており、Metaは「重大な言論の自由への影響がある」と主張しています。
2025 年12月にオーストラリアで16歳未満の子どものソーシャルメディアアカウントを禁止する世界初の措置が施行されました。これによりティーンエイジャーはYouTube、X、MetaのFacebookやInstagramを含む10のアプリを購読できなくなります。この措置は、これらのサービスが若年ユーザーのいじめや詐欺など社会的、ソーシャルメディア依存や自殺の助長など精神的な悪影響をおよぼしたとされ、それらを防ぐことを目的としています。以降、英国、フランス、スペインなど欧州圏、インドネシア、インドなどアジア圏でも同様の動きをする方針が表明されています。
過去に米国バージニア州の裁判所では、16歳未満のソーシャルメディアの使用時間制限を求める法律の提案を、米国憲法修正第1条に抵触すると差し止め判決がだされました。しかし、今回の訴訟判決と世界の潮流により、今後も米国内でのティーンエイジャーのソーシャルメディア使用制限についての議論は続くと考えられます。
まとめ
10代のソーシャルメディアの使用は、保護者責任だけでなく事業者責任が問われる時代になりました。これからのSNS運用は、単なる広告ツールから『ユーザーの健康を守る企業』としての姿勢が問われるフェーズに入りました。今後はその広告内容の倫理観やヘルスリテラシーがより問われていくでしょう。
いずれ日本にも派生するであろう法規制をリスクと捉えるだけでなく、ヘルスリテラシーをつけ早期に対応することで企業の信頼性を高めるチャンスでもあります。また、欧州など海外赴任した日本人が直面する、こうした文化的・倫理的ギャップもメンタル不調の要因となります。

当事務所では、海外(欧州)赴任者とそのご家族のメンタルヘルス相談、SNS運用でのヘルスリテラシーを高める健康教育に対応いたします。
参考
・FINANCIAL TIMES:「Meta and Google liable for social media harm to children’s mental health in landmark US case」、「Big Asian social media markets step up ban on access for under-16s」、「US court blocks landmark law limiting social media use for children」「Spain to ban social media access for under-16s」、「The countdown to the world’s first social media ban for children」
・CNN.co.jp : 「メタとユーチューブ、子どものSNS中毒に責任 裁判所が判断」
・BBC:「Campaigners welcome Meta and YouTube's defeat in landmark social media addiction trial」
※本記事の画像はAIで作成しています

